『黒澤映画ゼミナール』〜黒澤明的リーダーの条件〜

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zoom RSS 70ミリ撮影を希望した『暴走機関車』での黒澤監督の誤算

<<   作成日時 : 2006/10/26 07:18   >>

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複眼の映像 私と黒澤明
各写真をクリックしてお楽しみください。
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写真左↑が70mm動画集の解説一覧。↑中央と右が360度同時空撮↑の動画。

『トラ・トラ・トラ!』の挫折の遠因に『暴走機関車』製作1年延期⇒中止騒動があったようです。
(これも『黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて』に詳細情報有。)

そもそも、『悪い奴ほど良く眠る』以来の黒澤プロダクション製作作品における東宝との契約内容がハリウッドのそれと違い、作っても作っても東宝が儲かり黒澤プロが赤字をこうむるという仕組みだったようで、大ヒットしたはずの『赤ひげ』でさえ東宝への借金が膨らむ結果となり、その返済の為にも、何が何でもハリウッド進出を成功させ利益を上げないといけないという事情が生じ、それまでの黒澤作家主義放棄を迫られる結果となった様です。

前にも書きましたが、70ミリというのはフィルムのオバケで、単にフィルムの幅が倍になるだけでなく、11分強撮影できた1000フィート缶で、6分強しか撮影出来ないとか、(カメラが大きくてもフィルムマガジンの容量は1000フィートが最大だったはず)、カメラが特殊だからカメラマンやオペレーターのギャラも高くなり、アシスタントの人数も多くなり・・・極力NGを出さないようにしないと直ぐに予算がオーバーする危険極まりない代物なのでした。

35ミリを2台3台同時に回して、Aカメラの前をBカメラが通過するなどというNGラッシュ大量発生の黒澤方式ではあまりにもリスクが大きすぎる、それを70ミリで行うのは無謀だとハリウッド側は反対したに違いありません。
勿論、ワンカメ中抜き撮影より、一気に11分間を撮り上げる方が、結果的にNGフィルムは少ないし、撮影時間も短縮されるという黒澤哲学があったので、後に『デルスウザーラ』で70ミリ撮影に成功した事からすると、黒澤監督は『暴走機関車』も70ミリで利益を上げる自信がおありになったと考えられます。

ちなみにデビットリーン監督が70ミリで『アラビアのロレンス』『ライアンの娘』を完成したのは奇跡といえます。以来、誰も70ミリでドラマを撮影するなどしていない。ドキュメンタリーを観せるアイマックスシアターが登場したのは随分後でしたし。

『スターウォーズ』『インディージョンズ』他の70ミリ映画は上映の時だけ70ミリで、撮影は35ミリの横走り、8パーフォレーションのビスタビジョンを使用しています。(35ミリ×2だから撮影幅は70ミリになる計算。現像も通常のフォーマット機種で可能だから安上がりなのです)

『夢』の赤富士シーンは、国産70ミリカメラを諦め、このビスタビジョンカメラで撮影されました。

というわけで、国産70ミリカメラで撮影されたのは上の写真をクリックすればご覧になれる、世界や日本の絶景映像ばかり。今や現像も国内では出来なくなったと聞いています。残念!



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