『黒澤映画ゼミナール』〜黒澤明的リーダーの条件〜

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zoom RSS 中居正広主演『私は貝になりたい』とフランキー堺主演のオリジナル<1958年TVドラマ作品>との違い!

<<   作成日時 : 2008/10/26 01:28   >>

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私は貝になりたい <1958年TVドラマ作品>
TCエンタテインメント
2008-10-31

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近日公開予定の予告編を観ただけで、
「あ、またやったな」と所ジョージ主演版『私は貝になりたい』を思い出した。
勿論、フランキー堺主演のオリジナル版<1958年TVドラマ作品>『私は貝になりたい』と比較して
がっかりしたのを思い出したわけだが・・・

今回のリメイクも、所さんの時のリメイクも、この企画を引き受けた演出家は
オリジナル作品のどこに感動してリメイクを引き受けたのだろう?と疑問を持たざるを得ないほど「ひどい」と感じた。

「予告編しか観てないのに何を言う!」と中居さんのファンから叱られそうだが、
オリジナルドラマとの違いは明らかだからしょうがない。

何が違うって、オリジナル版のフランキー堺主演の主人公は自分が無罪だと信じ気って判決の日を迎える。
だから自宅の床屋からMPに逮捕されて、東京裁判の拘置所へ連れて行かれる時にも悲壮感はなく
「大丈夫大丈夫、何かの間違いに決まっている。すぐに帰ってくるから心配するな」と笑顔で護送される。
検察官に質問されても、裁判官に質問されてもその態度は変らず、ずっと強気で発言し続ける。
決して悲壮感を持って下を向いて、眉をしかめて、泣きそうな顔で無罪を訴えたりしなかった。
「わかんねーなー、日本の兵隊って言うのはね、上官の命令には絶対だったんだよ。上官に逆らって命令を断るなんて出来なかったんだ。何度言ってもわからねーなーアメリカ人ってのは」とプンプン怒って発言し続ける。

観客も、そうだそうだと頷いて、きっと彼の訴えが通って、最後は無事に床屋に戻るに違いないと信じながらドラマを見続ける。そんな演出にリアルさを感じ、最後は悔しくて悔しくて涙が出たのを覚えている。

ところがどうだ、所ジョージさんのバージョンも今回の中居さんのリメイク版も、最初から最後まで本人が最後を知っているかのごとき深刻な表情で、暗く、ボソボソと涙ながらに証言を述べていくみたいではないか。

逮捕されてトラックの荷台に乗せられて床屋を後にする場面がTVスポットで流れたから間違いない。
オリジナル版のあのコミカルでユニークでユーモア満載だったフランキーさんの芝居と違って、
中居君版の予告編ではずっと眉をしかめておどおどして、泣きそうな声で演技していた。そこにガッカリした。

「リメイクを撮るならオリジナルをしっかり観てからにしろ」といいたい。

『椿三十郎』の織田裕二さんは三船敏郎さんのオリジナルをあえて観ないで演技に臨んだと聞く。
あれは怠慢。言い訳ができなくなるから、観てないから比較できない、と言うために観て研究する事をしなかっただけだ。

なぜ時代を超えてそのオリジナル作品は観客に愛されて来たのか?
それを分析しないでリメイクに参加するのは請負仕事でしかないと思う。企画者はオリジナルを愛しているからリメイクを作って、旧作の存在を現代に思い出させて、あの感動を新作でも甦らせたい、そう考えて制作にこぎ着けたはず。それなのに出演者がオリジナルを見ないというのは、どんなに理屈を並べても説得力がない。

所ジョージさんのバージョンの悲壮感で通した失敗の原因はそこにあったと思う。
さて中居君は?フランキー堺さんの「何を馬鹿なこといってやんで。俺が戦犯なわけがないだろ」という信念を受け継いだ主人公になっているものかどうか?彼が旧作を観ていれば、こんな心配もしない丑四五郎なのだが・・・


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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
織田裕二が「あえて観ないで演技に臨んだ」というのは間違いです。
正しくは「オファーがあるまでは見たことがなかった」です。
実際の演技を見れば三船さんの演技を研究し尽くしたのは一目瞭然です。
pipo
2008/10/26 03:57
橋本忍が脚本が書いたみたいですね。ご健在だったことに、驚きました。
光丸
2008/10/26 07:28
>pipoさん
訂正戴きありがとうございます。
でも、>三船さんの演技を研究し尽くした
にしては
「私の名前は・・・つばき・・・椿三十郎・・・もうそろそろ四十郎ですが」
の台詞を薄笑いと、力み過ぎた声で吐いてしまったのは、照れくさそうにボソッと抑えて発した三船さんの演技(台詞の解釈)とは真逆の芝居で、パロディコントを見ている様でずっこけてしまいましたが・・・。これは丑四五郎だけの偏見でしたかな?
丑四五郎
URL
2008/10/26 09:13
>光丸さん
書き込みありがとうございます。
>橋本忍さんがご健在だったことに、驚きました。
そうなんです!先日もBS2のスペシャルで『七人の侍』脚本執筆裏話をしっかりした声で、お話されてましたよ。
丑四五郎
URL
2008/10/26 09:17
そうですね。全くの偏見だと思います。
織田裕二の椿は
巷では三船の真似と批判されてることも多いですし。
そもそも演技に関しては役者よりも監督に選択権があるわけで、
それを役者の研究不足(これも間違っていたわけですが)としてしまう意見は微妙にずれていると思います。
ゆき
2008/10/27 00:04
>ゆきさん
コメントありがとうございます。
>そもそも演技に関しては役者よりも監督に選択権があるわけで、
同感です。結局は『椿』も『貝』もテレ朝版『天国と地獄』『生きる』も演出家の勉強不足、研究不足。プロデューサーの安易な興行収入、高視聴率狙いの弊害が演技を修正出来なかったわけでございますね。撮影システム、制作システムetc.数えたらきりがない。映像制作者の魂、誠意、哲学の違いが作品を歪めてしまうというのが結論。何とか修復したいものです。
丑四五郎
URL
2008/10/27 00:36
丑四五郎さんが言う「勉強不足、研究不足」というよりは、そういう演出であったという事でしょう。
全く同じものを作成する意図であれば別ですが、監督、演出家などが「こうだ!」と思ったものが、その映画の正解でしょう。
もちろん、それが見る側に受け入れられるかどうかは別として。
だいたい、旧作を役者が見たかどうかで演出が変わるわけない。
今回の『貝』は、橋本氏が完全版として書き直しており、役者の人選、演出についても監督へ要望を出しているようです。
自分としては、橋本氏が納得する映画となったかどうか、興味があります。
通りすがり
2008/10/27 03:08
>通りすがりさん
>今回の『貝』は、橋本氏が完全版として書き直しており、役者の人選、演出についても監督へ要望を出しているようです。
なるほど、そこは黒澤脚本のリメイクと違って市川昆監督が自分でリメイク演出する物に近いというわけですね。
貴重なご意見ありがとうございます。
丑四五郎
URL
2008/10/27 07:19

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